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2014年2月14日金曜日

Wineglass Bay 2008年12月17日

6時半起床。周囲のベッドの客はまだ寝ているが、ゴソゴソ出発準備をする。
今日は一旦、荷物を預け、午前中はフレシネ国立公園を歩いてみるつもりだ。
ホバートで韓国人のサニーが言っていたMt.アモスをからワイングラスベイを見てみたい。


荷物を確認するとビニール袋が少ない。買い物の際は捨てないように気をつけよう。
ビニール袋はゴミ袋に使うほか、荷物の仕分けなどに重宝する。
私はピクニックエリアなどで休憩中にコーヒーを豆から淹れるので
淹れ終わったフィルターとコーヒー滓を捨てる袋は必須なのである。


キッチンに行くときのう遅くまで飲んだヒロキくんがいたので、いっしょに朝食にする。
ビニール袋があまりなくて困っていると言うと「濡れたのでよければ」と一つくれた。

ヒロキくんはこの数日、バックパックを背負って、フレシネ半島の海岸線を歩いていたそうで、途中、波で洗われた道を突き進んでいて全身水浸しになったらしい。それでビニール袋も濡れているそうだ。

彼は骨のある男だ。

ヒロキくんはこれから北部の都市ロンセストンへ行くという。その先は西の国立公園レイクセントクレアに行くらしい。レイクセントクレアからはクレイドルマウンテンまで続くトレイルを一週間歩くとそうだ。

さらば、次はセントクレアか。日本か。また会いたいな。
気分のいい男だった。

バックパッカー&キャンプ場。NZにもある系列のところだ。

チェックアウトの時、きのう宿泊代をまけてくれたナイスガイが昔どこかで聞いたような曲を聴いていた。
少し荷物を預かってくれと言うと、快く引き受けてくれた。
オフィスの奥で預かってくれるという。「いくらだ?」と聞くと、「いいよ、気にするな」と言ってくれた。

対岸は昨日走ったところ

コールズベイのはすれにカヌーのアクティビティの店があった。オイスターベイのカヌーは最高だろう


荷物を預けた後、自転車でMt.アモスの登山口まで行く。


昨日何度も通り過ぎた場所を通り過ぎ、登山口の入り口の駐車場へ向かう。
途中、ビーチのキャンプ場が見えて、こちらに泊るべきだったか、と一瞬思うが、
自分の判断と出会った偶然を楽しむのが旅だ。きのうはきのうでよかったのだ。
些細な後悔は風が運び去ってしまう。


駐車場までは思いのほか遠かった。
自転車を置いて登山道を進む。
はじめはよく整備されたトレイルだったが、それがはすぐに終わって、
岩にへばりついて上るような道が続く。きのう、雨の中、ヒロキくんは上って大変だったと言っていたが、これはイカン。かなり大変だ。


日本かニュージーランドならハンドルか鎖が張ってあったりするものだが、そうしたものは全くなく、岩に▲の印が黄色くスプレーされているだけ。ほんとうに取っ掛かりのないところもあり、一歩間違うと、、みたいな場所もあった。

黄色のマーカーが行き先らしい

しかも自転車用のビンディングシューズを履いていたおかげで難易度が増した。


海外のツーリングに出るようになって、NZへ行った当時出たばかりのゴアテックスのトレッキングタイプのビンディングシューズを使っていたが、普段はかなり調子が良かった。

このビンディングシューズというのはペダルがシューズに嵌るようになっており、
ペダリングをアシストする仕組みになっている。
自転車のロングライドやレースには欠かせないアイテムだが、靴の裏に専用の金具をつけなくてはならないので、こうしたところでは金具が滑って非常に危険だ。

雨上がり、ということもあり、比較的凹凸の少ない巨大な岩肌に水が流れいるところは、本当に恐かった。ヒロキくんは雨の中、行ったというから恐れ入る。


細心の注意を払いながら山頂をめざす。
周囲は他に高い山もなく、苦労しながら上っていくと眼下に海が広がっていく。






上までは一時間くらいかかっただろうか。山頂かと思い動画を撮る。


山頂かな?と思っていると少し離れた岩肌に"TOP"の文字が見えた。
あれだ。


山頂から周囲を見回す。景色は本当に最高だ。
完全な晴れ。空の深い青が眩しい。

ワイングラスベイ
 複雑な形の半島が海を切り取っていて、360度絶景が広がる。

「やいやい、来ちゃったよ。」私はニヤニヤしながらつぶやいた。

ワイングラスベイもよかったが、昨日自分が走ったナインマイルビーチや、
そのラグーンが見えたことの方がうれしかった。


来た甲斐があった。

昨日バイクフェリー乗ったナインマイルビーチ。
下山はなかなか大変だった。とはいえ、一度岩から滑落しそうになった以外は概ね安全に下ったと思う。


上りは朝だったせいか、ほとんど人に合わなかったが、下りは多くの人に会った。
みんな笑顔で「Hi!」とか言ってくれる。些細なことだが、一人でいるとこういうことがうれしいものだ。


駐車場に戻ると、トリアブアナで会ったイングランド人カップルの自転車があった。

Mt.アモスのトレイルで会わなかったのでワイングラスベイのLookoutの方へいったのだろう。
彼らにもまた会いたいな。


そして駐車場で初めてワラビーに遭遇した。小型のカンガルーである。
タスマニアには大型のカンガルーがいないので、カンガルーと言えばワラビーである。

「おぉ」と感激したが、ワラビーは私の姿を認めるとピョン、ピョンと近づいてきた。
 いやな予感だ。

私のすぐそばまで来たワラビーはしばらく私をじっと見ていた。
これは、あれだ、エサの催促だ。観光地の野生動物にありがちなことだ。

気がつかないフリをしていると、ワラビーは軽くパンチしてきた。

おいおい、ワラビーのカツアゲか?
不覚にもワラビー相手でちょっとビビってしまった。

私がカモではないことが分かると
駐車場に停まっていたキャンピングカーのほうへ行ってしまった。
なかなか衝撃体験であった。




コールズベイの街に戻る。




感じのいいカフェが気になってしまい、店に入る。

どうして海外のカフェはこうもオシャレで旨そうなのか


昼は誘惑に負けて、ハンバーガーとウィンナーロール、それにカプチーノを注文してしまった。節約するつもりだったんだが。いやはや。





昼食を楽しんだ後、ゆっくり走りだす。

ハイウェイの脇で売られていた花。日本だったらかったんだけどな




道は比較的平坦。それでもやはり時速17キロ出ればいいほうだ。

いつも長期のツーリングでは一日100キロが走行距離の目安だが、
今後は1日70キロ前後を目安に考えた方がいいかもしれない。

タスマニアビーフ!?



午後3時ごろ本日の目的地ビシュノーの街に到着。

ビシュノーにはフェアリーペンギンが生息しており、ナイトツアーもある



ビシュノーはコールズベイぐらいの小さな街かと思っていたが、
想像したよりは大きな街だった。
といってもスーパーとボトルストアの品揃えがよかったのと少し店が多かったぐらいだが。




キャンプ場はTake awayの店が経営するキャンプ場だ。
料金10ドル+シャワー1ドル。
キッチンスペースはないが、バーベキューエリアがあった。
悪くない。



早く街に到着したので、街を歩く。

メインストリートの向こうに今朝泊っていたバックパッカーの女性がいた。
ピックアップトラックに乗った彼女は私の姿を認め、笑顔で手を振ってくれた。

私も笑顔で手を振った。

かわいいな、、チクショウ。何が「チクショウ」か分からないがチクショウであった。

彼女はビシュノーに買い出しにきていたようだ。
それを考えてもビシュノーはこのあたりではそこそこの街のようだ。

海沿いのウォーキングコースを散歩してキャンプ場に戻った。



キャンプ場でシャワーを浴び、軽く洗濯もする。
洗濯はいつも手洗いだ。自転車のウェアは乾きやすいので助かる。

バーベキューエリアでスーパーで買ったベーコンを焼き、パスタを作って食べていると
15人ぐらいの若者の集団がやってきた。引率の年配の男性がいろいろ指示している。
ハイスクールか何かの旅行のようだ。

「すまんね。騒がしくて」男性はそう言って、夕食の支度を始めた。

私は食事を済ませ、その様子を眺めながら1本目ビールを飲み、日記を書いた。



ビールは北部の都市ロンセストンで製造される「BOAG'S」 この先、ずっと世話になることになる。




一本目のピールが空いたところでテントに戻り、
日本から持ち込んだ時代小説読みながら二本目のビールを飲んだ。
この時間が至福の時間だ。

いつの間にか眠りに落ちた。



*************************




走行距離 54.3km

会計 コーラ     4.5ドル
    ポストカード 3.5ドル
    カフェ昼食 10.5ドル
    キャンプ場 11ドル
    ベーコン  2.43ドル
    ビール   5.3ドル

    合計 37.23ドル




2014年1月31日金曜日

Great Oyster Bay  2008年12月16日

禁酒して2日。薬のおかげもあり、体調も良くなる。
天気もよさそうだ。
これなら自転車に乗るのも楽しいだろう。

朝、トリアブアナ出発。
キャンプ場のオーナーはとてもいい人たちだった。出発のとき、礼を言う。



どこへ向かうのかと聞かれたので、フレシネ半島へ行くと答えると、オーナー夫妻の旦那さんが、「ナインマイルビーチの先からバイクフェリーがある」と電話番号教えてくれた。

私はこれから東海岸を北上し、その名の通り半円状になったグレイトオイスターベイを回り、その南端にあるフレシネ半島まで行く予定だ。


地図がないとイメージが湧かないと思うのでこちらを見てほしい。


ナインマイルビーチはスワンシーという街から弓なりに伸びる半島で
一見するとフレシネ半島とつながっているように見えるが、実際はわずかに切れており、
スワンシーから陸路で行こうとするとかなり大回りを強いられるが、フェリーがあるならとても楽ができる。



トリアブアナを後にし、タスマンハイウェイを北へ。


天気がとてもよく、ときおり雲が出て曇ってしまうことがあったが、走りやすかった。





調子がよかったので、歌を歌ったり叫んだりした。
とにかく、晴れの中走ることができるのが嬉しくてきもちよかった。


途中、景色のいいところで休憩。



海の見える高台でチキンラーメンを作り、フルーツを食べた。
久しぶりのピクニックな昼食。何年振りだろう。

アラスカやニュージーランドではよくこうして、景色のいいところで昼食を食べたものだ。






その後は順調に進むが、いまいち距離が伸びない。
日頃の練習不足を呪うが、自業自得である。
旅をしているうちに、またよく走れるようになるだろうということにしておく。


牧場の横で発見。何なんだろう。

こういう平坦な道ならどこまでも行ける気がする



旅先では印象的な木の写真をよく撮る

タスマニアの道端にはよくハリネズミがいる


Spiky Bridge 1864に建設された橋
橋の上から



スワンシーの街が近づいた頃、「Kates berry farm」の看板が見えた。

ベリーファーム。いいねぇ。行くしかないでしょ。
タスマンハイウェイから横道に入っていく。


つい日本の感覚で、看板からベリーファームまでハイウェイからすぐかと思ったら
ハイウェイから結構な距離とアップダウン。
道の舗装はじきになくなり、道は土がむき出しになった。
たぶんハイウェイからベリーファームまで1キロくらいあったのではないだろうか。



視界が開ける。
ベリーファームが見えた。



ベリーファームは丘一面にベリー類が栽培されており、丘の上に小さな建物があった。




ジャムなどを扱うカフェである。

 
つい半年前までカフェで雇われ店長をやっていた私は甘いものに目がない。


ウキウキして自転車を置き、入り口へ。
建物の入り口で中から出てきた年配の女性が
「ベリーのアイスが最高よ!たったの5ドルだし」とウインクした。

いやいや、他にもいいものがあるかもしれない、と思ったが、
気持ちはもうアイスに流れていた。



「Kates berry farm」にはアイスを始め、ジャム、マーマレード、チョコレートにベリーを添えたワッフルがあり、それぞれがショーケースに綺麗に並んでいた。





これはイカン…全部食べたい。
だか、金はないし、旅を始めて数日で荷物を増やすわけにもいかない。

悩んだ末、やはりアイスにした。

アイスはトリプルで5ドル。400円しないくらいか。


上からブルーベリー、ワイルドベリー、ラズベリー


4種類のベリーから3種類選ぶ。これも迷った。

本当においしかった。それぞれのベリー味が楽しめ大満足だ。
入り口で出会ったマダムに感謝した。


ここはまた来たい。でも次はレンタカーでいいな。

「Kates berry farm」を後にしてスワンシーに向かう。



スワンシーの街に入ったころから雨が降り出す。


スワンシーでは少し土産物屋を見たぐらいだ。

公衆電話から例のバイクフェリーに電話する。何度か電話してやっと繋がる。
15ドルで乗せてくれるそうだ。


ナインマイルビーチの先で待ち合わせになった。
ここまでのペースが遅かったので、2時間後に行く、と伝えると
「今どこにいるの?スワンシー?なら1時間半 もあれば大丈夫」と言われてしまい、
1時間半後に半島の先で待ち合わせとなった。

結局、ナインマイルビーチまではすぐに行けたが、
道路からビーチに出る道が見つけられず、着いたのはギリギリの時間だった。


何もないビーチ。
雨がしとしとと降り続く中、私は対岸に目を凝らした。
小さな桟橋が見えるが、フェリーの姿はない。

そうだ、ビーチに着いたら合図しろって言っていたな。
ていうか合図って、なんだ?

とりあえず、私は対岸の桟橋に向かって手を振り、叫んだ。


合図が見えたのか、どうなのかわからないが、
桟橋に横付けした車が小さなアルミボートを下ろし始めた。

バスフィッシングに使いそうなボートである。


「フェリーって言ったよな。あれ、か?」
 キツネにつままれたようにボーっと見ていると、あっというまにボートがついた。

ボートは自転車がやっと乗るサイズだ。


乗っていた初老のオッサンに
「そら、早く靴を脱いで、自転車載せるんだ、ほら」となぜか急かされて自転車を積み、
ボートはすぐに出発した。

ほんのわずかな時間で半島を横切り、対岸の桟橋に到着。

桟橋には男性の奥さんだろうか、初老の女性が傘をさして待っていた。
自転車をボートから下ろすと、奥さんがタオルをくれ、足を拭き、靴をはく。

その間に、男性のほうはさっさとボートを車に積み、そのまま行ってしまった。
奥さんはコールズベイの街の地図をくれ、メインロードまでの行き方とバックパッカーの場所を教えてくれた。
支払いをすると、奥さんはくるくると丸めた紙幣を取りだし、お釣りをくれた。


 きっとトリアブアナのキャンプ場のオーナーに協力してもらい、
内緒でやっている商売なんだろう。そそくさした感じとか、胡散臭い感じが笑えた。

このバイクフェリーを使いたいと言う人がいるかもしれないので電話番号を書いておく。
62570239 (←タスマニア州内からかけること)

この電話番号は、かの『lonely planet』 にすら載っていない情報だ。


コールズベイではビールを2本購入し、そのまま街を抜ける。
今日はフレシネ国定公園内のユースホステルに泊る予定だ。

コールズベイを抜け、フレシネ国立公園のビジターセンターに向かう。

タスマニア東海岸に多い赤い岩。苔類らしい

ここでタスマニア島の国立公園のパスを購入するのだ。
タスマニアには数多くの国立公園があり、中に入るのにパスが必要である。
この先、いくつの国立公園に行くかわからないが、
サイクリストなどの一人旅をするい人向けのバックパッカーズパスを購入した。

ここで、ユースホステルのことを聞くと、
ユースは一般的なそれとは違い、建物があるだけのどちらかというと山小屋に近いものらしい。しかも、予約はホバートのビジターセンターでしか本当は出来ないらしい。

なんてことだ。。

困った私を見かねて、ビジターセンターの女性は特別にユースを取ってくれた。
ありがたい。 だが、ユースの鍵はコールズベイのバックパッカーにあるという。


コールズベイに戻る。

バックパッカーでチェックインの手続きをし、ユースのキーをもらう。

再び、ビジターセンターを越え、ユースに向かうが地図の場所へ行ってもそれらしい建物が見当たらない。どこだろう。


周辺をウロウロしたが、全くわからない。
あたりが暗くなってきた。


諦めて、一旦コールズベイのバックパッカーに戻る。
もう、なにやってるんだろう。

再びバックパッカーに戻ると、オフィスはしまっていたが、中にいた若い女性が助けてくれた。
ユースまでだれかに送らせると言ってくれたが、結局バックパッカーに泊めてくれることになった。


助かった。


本来であればユースとバックパッカーの差額を支払わなくてはならないが、
「あぁ、いいよ。君はラッキーだね。」と言って、部屋のキーをくれた。

ほんとに感謝してもしきれない。それと同時に自分のラッキーが少し怖くなってきた。



バックパッカーのシャワールームに向かうと、知っている顔がいた。

ホバートで会ったヒロキくんだ。

「あ、島田さんじゃないですか!どうしたんですか!」
事情を話し、食事を済ませたらビールを飲もうということになった。

「ビールいくらでした?どこで買えます?」とヒロキくん。

私はヒロキくんにリカーストアの場所を教え、
 「2本で5.4ドルだった。一番安のくれって言ったら出てきたよ」と伝えた。

「おぉ、なるほど!おれもそう言って買ってきますね!」ヒロキくんはそういうと出て行った。



キッチンで私の旅の定番、フジッリのパスタを茹で、刻んだオニオンとツナをソースと合わせて夕食する。スパゲティはバッグの中でバキバキに折れてしまうのでねじねじフジッリがいい。


ナイスガイのヒロキくん

夕食後、ヒロキくんとビールを飲みながら長々と話す。
彼はこれからタスマニア北中部の都市、ロンセストンへ行くという。

彼と話しながら、ふと、あぁ旅をいているな、と思った。